6年生の教室から

物語『カレーライス』は、小学6年生の主人公が、どこの家庭でも一度や二度はあるような些細な原因で、お父さんと喧嘩をすることから始ります。小学校高学年の男の子は思春期を迎える時期で、心も体も急に成長することもあり、非常に繊細な年頃です。「まだまだ子供だ」と思う大人とは逆に、子供たちは「子供扱いしないで欲しい」と思っているようです。6年生は、等身大の主人公「ひろし」の心情に着目して感想文を書くことにより、物語をより深く理解しました。                       6年担任 ハセット聖子 

「カレーライス」を読んで               板 東 龍星 

 「カレーライス」を読んで、僕はひろしと同じ気持ちになった。心の中ではきちんと、「ごめんなさい。」って言わなきゃってわかっているのに。お話の中に「僕は悪くない。」ってあるけど、やっぱりひろしが悪い。お父さんがゲームのコードを抜いたのは、ひろしが「一日三十分」のゲームの時間を守らなかったからで、ひろしの方がいけないんだから。 

 でもそれと同時に、ひろしの気持ちが解りすぎて、まるで僕の話みたいな変な気持ちにもなった。僕のうちも、母さんが仕事の日は父さんが僕達の世話をしてくれる。宿題を手伝ってくれたり、ご飯を作ってくれたりする。時々、僕はだらだらと宿題をやっていて父さんにおこられることがある。そんな時は心の中で、「ちゃんとやってるのに!」とむかついた気持ちになる。でも、心のずっと奥の方では父さんの言ってる事は解ってる。「反抗」って難しいなと思う。 

 ひろしのお父さんは、6年生になったひろしがまだ甘口のカレーしか食べられないと思っていた。小さな子供みたいに思われていたひろしは、それにも怒っていたんだと感じた。僕だって、4年生の妹や2年生の弟と同じように思われていたら、やっぱり「ふん!僕はもう6年生だい!」って父さんや母さんにプンプンしながら言っちゃうかもしれない。ひろしはやさしい男の子だから、甘口のカレーじゃなくて中辛のカレーが食べられる事をお父さんに言えなかったんだと思う。 

 お父さんが風邪を引いているのに、「大丈夫?」と言えなかったけど、がんばって中辛カレーを作った。それがひろしからお父さんへの「ごめんなさい。」と「もう僕は6年生なんだから!!」と言う代わりだったんだと思う。そして、お父さんの「そうか、もうお前も中辛なのか。」「そうかそうか。」は、「ひろしもお兄さんになったんだなあ。」と思うお父さんの心の声だと思った。 

 ひろしは、ちょっと大人になった自分をお父さんに知ってもらってうれしかったんだろうなと最後に思った。僕もお兄さんになったけど、父さんがちゃんと解っているか、ちょっと心配だ。

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